きりんの散歩

趣味は美術館めぐり。生息地は福岡。遠くまで行くこともあります。アイコンは我が家のモネちゃん。twitter:@kirin11_04

想像界のもの@大阪

 

国立民族学博物館にずっと行ってみたかった。太陽の塔も見たかった。そろそろ探そうと逃避行先に目が付いたのは「驚異と怪異――想像界の生きものたち」。あれ、もうちょいで会期が終わるなと、ついでに博多〜新大阪の新幹線安いのあるな…いうことでやって来ました大阪。

 

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最寄駅から太陽の塔の顔が見えている。気持ちいい秋晴れにキラキラと反射しているのが、どんどん近づいてきて、電車が止まるとやっと着いたー!って聖地みを感じた。歩いて自然文化園のゲートでみんぱく特別展を買う。880円という破格さでプラス常設も周れるお得なチケットである。園児や学生の団体が多くて、遠足とか課外授業してるの楽しそうだった。ゲートをくぐると太陽の塔がドドーンと正面に立っている。うおー、着いたぞ!かっこよいぞ!

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隣で女子高生が友だちに「なんか面白いことして」と言ってて、太陽の塔をネタに笑いを求める高度な技術のいる文明に慄き、写真はそこそこに足を早める。

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紅葉が始まってバラ園があって、カフェがあちこちに点在するオサレな園内にこの看板の唐突さ。展示内容は色んな妖怪やら精霊やら不気味やら可愛いやらのオンパレード。たまに世界分布が置いてて、言い伝えなのか同時多発的になのか分からないが人魚なんて日本はおじさんの上半身だったり、龍はヨーロッパだとドラゴン風になってたり、シュールで面白かった。1階の最後に江戸時代に作ってた人魚があまりにも見事なのでオランダが買っていた話の後の人魚まじで見事だった。こりゃ変なもの集める癖の人にはぶっ刺さるって見た目してた。飾りたくなる気持ち悪さというやつ。あとお寺で人魚の骨をつけた水を健康なものとして振舞っていたという話もあって、人魚という存在が浸透してて驚異というより信仰対象になってるのも面白かった。鑑賞途中に小学生の団体がさささーーっと通ってて、ほぼ素通りだったので勿体ないなと思っていたら、1人だけ残って真剣に観てたのでそれもそれでちゃんとみんなと帰れよとも思ってしまった。

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2階は映像コーナーもうちょっと規模大きくていいのではと手狭感否めなかったくらいに、映像内容は日本各地の音や声掛けが特徴的な祭事についてのまとめのやつが全部面白かった。1番好きなのは奇声を上げながら顔を隠した大人が子どもを捕まえて袋に入れるというお祭りで、逃げる子どもがまるでジャングルで肉食動物から逃げるインパラの如く俊敏にトップスピードで逃げる様子をみて隣の人が笑って、私は堪えるぞいと思ってたら、次に狙われた子どもが捕まって泣きながら「言うこと聞きます!!!言うこと聞きます!!!」と繰り返しながらその悲痛な叫びとは逆に淡々と袋に詰められていたので私も笑ってしまった。私も幼少期は神楽とかの鬼怖かったのに、いつからか笑えるようになったんだろ。捕まったら戻れない気がしてたけどあっさりと解放されることに気付いたからか、体が大きくなって捕まる対象から外れたからかな。

 

その後は常設の地域展示・通文化展へ。電子音声ガイドがプレステポータブルだった。ルーブルがDSなのは知ってたけど、みんぱくSONY派なの知らなかった。タダで借りれるので軽い気持ちで借りたけど、後々ファインプレーだと自画自賛するほどに展示がめっちゃめっちゃに広いし動線長い。現在地のわかる地図が随所にあるけど、出口がずっと遠い。観てるのも楽しいけど、無音なので1人鑑賞は絶対に音声ガイド借りるべき。世界中の人々の暮らしが分かる内容で音声ガイド500くらい?もっとかな?あって、全然耳が追いつかないが仕方ない。

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これは伊勢海老型の棺桶🦞とのこと。

 

そこから太陽の塔へ。思い付きで来たので事前予約してなかったけど、当日券で入れた。1階のみ写真撮影可能。奥には16人ごとに案内される。みみずく土偶たんがお出迎えしてくれた!かわゆい、かわゆいよ…。唯一中にある太陽の塔の顔が真ん中にあって、プロジェクションマッピングしてた。この顔は何処かに行ってしまったらしいので、新たに作ったとのこと。何処に行ってしまったんや。進んでいくと当時より明るいという色々な生物たちの生命の樹が中央にそびえている。スタッフさんに案内されて階段をちょっとずつ進んでいく。下から眺めるよりも、上から覗いたほうが好きだったな。それと腕が照明のせいもあるけど先の方に引き込まれそうなのと、当時のままの廃れたゴリラも間近に見れて楽しかった。

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まだちょっと時間があったので、国立国際美術館へ。ウィーンモダンの特別展は周れないと判断し、常設の「コレクション特集展示 ジャコメッティと Ⅱ」に入る。ツイッタージャコメッティの元恋人フローラの映像がよかったとあったので、何処だ何処だと進むと1番奥の大きな仕切りにあった。真っ暗な中の中央に裏表2面のスクリーンがあり、右と左のスペースにそれぞれ椅子が置いてある。ちょっとネタバレになるが、語りはなんとフローラの息子。語りは1つのまま、右と左のスクリーンはフローラと息子視点の映像で分かれている。最初にフローラ視点からみてジャコメッティとの関係と生い立ちにグッときて、息子視点で過去を語らない母の思い出が判明したことの驚きと大変な中で育ててくれた感謝とか生きてる人間の言葉の重みがあった。どちらの映像も最後はジャコメッティ作の「女の頭部」で締めくくられる。そこをでて改めてフローラとジャコメッティのツーショット写真、フローラ作のジャコメッティの頭部像の複製を見つめるとフランスからアメリカに行くときに壊さざる負えなかった背景に何とも言い難い気持ちになり、でも息子さんにしてみたらフローラの本当の生涯を伝えられて良かったってところなのかなとか…30分×2画面なのでじっくりと見れたのも良かった。

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追伸

合計の休みは増えても繋がってなければむしろQOLは低下するのだと気付いた。

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