きりんの散歩

趣味は美術館めぐり。生息地は福岡。遠くまで行くこともあります。アイコンは我が家のモネちゃん。twitter:@kirin11_04

青、透明、暗闇@東京1日目

 

何も考えずに、「あーいいーーすきーーー」という感情に身を任せるのが心地よい。東京という場所は無数の数の展示が行われているし、手が込んでいて見たことないものが見れてただただ楽しいの記録。

 

①大槻香奈個展「おなじ光、違う空の下」アートコンプレックス・センター

猫を飼いはじめてから圧倒的な猫派になった戌年生まれなのだが、趣味にも反映されておりネコチャンかわゆいと作中に描かれているだけで胸を打たれてしまう。特に藤田嗣治の白猫がウチのおでぶネコチャンそっっっくりなので、親近感からの好感度高めである。さてさて今回そんなネコチャン!となった作品が「よいこ」というタイトルで、描かれてたのはお人形さんと招き猫かなと思った。振り返ると、そもそも猫がいる大槻さん作品珍しい…、というか動物がいることが珍しい気がする。大槻さんの主なモチーフとして挙げられるのは、少女やお人形、家、写真、格子などなど。動物はあまり描かない主義なのかな。フィリップスコレクション展で見たゴーギャンのハムの静物画のような、あれこのテーマ珍しいぞ?希少価値が高いのでは?という気持ちになった。

小さな展示室の中は暖房の音が沈黙を支配していて、その中で静かな足音、スタッフさんのややぽやぽやした眠たげな表情、少し前から抜けるような色が使われ始めた作品たち、全てが穏やかな展示だった。帰りのビニールシート窓は水色でとっても晴れてるように見えて、外もほんとにめちゃくちゃ晴れてて、窓が偽物だと分かりづらかった。

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宮永愛子「漕法 はじまりの景色」NADiff gallery

モネが好きなのはあの表面の油絵がテカテカしていて、凹凸で光の反射が違ってくるあの煌きが好きってところもポイントになっているので、絵の前で左右によく揺れながら鑑賞する変な見方を確立してしまったのだが、キラキラした透明さを感じる質感が好きな傾向がある。宮永愛子のナフタリンを用いた鍵と気泡が閉じ込められた旅行鞄「手紙」が高松市での展示の様子の一部としてTLに流れてきたときに一際輝いておりズキューンときた。でも会期中に仕事休めなくて、行けなくて、すっごくすっごく悲しかった。作り手が生きてる間に展示するってのに行けないだなんて、せっかく同じ世界線にいるのにと日々の味わいに欠けてしょんぼりとなる。終わってしまったと名残惜しかったところに、なんと!行きたかった高松での展示を含めた作品集の記念展示があるということで行ってきた。小部屋な展示室なのでパッと「手紙」が視界に入ってきて、いや!まだ直視するのは早いのよ!と導線をきっちりと意識してサヌカイトの展示品を見る。こんな素敵な音のする石がごく僅かな場所にのみ存在して、代々受け継がれて管理する…ずっと大切にされてきた関係性も含めて素敵だった。カランカランとサヌカイトの音が流れる中で、すぐに「手紙」の前に来た。やっぱりやっぱりズキューンと改めて瞬殺された。とても美しかった。行きたい時に行くために、日々生き続けなければならぬのだ。

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③内林武史オブジェ作品展「宙の窓 sora no mado」新宿高島屋美術画廊

画像をみたイメージで行くと現物は小さかったり大きかったり、展示室ごとにも雰囲気が変わってくる。展示に行くと「星空を渡る橋」は、まさか手にとって動かせるとは思わなかったし、「記憶の窓-1975-」の前に立つとほわっと明かりがついて、じんわりと消えていくのが情緒的で良かったし、暗い展示室の中で数個の「銀河の旅」がプラネタリウムのような空間を作っていてピカピカしているところに手をかざして遊んでみるのも、その場に実際に行ってみると分からないから、写真じゃ伝わらないものを見れると嬉しい。ノスタルジーでひと作品ごとに小さな世界観を感じられた。

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追伸

東京ではマックばかり行くので、マックの場所ばかり覚えてしまう。あとはコンビニのいくらおにぎりが旅飯。みんな旅行先で何食べるんだろ。ひとと食べるのもまた楽しみの1つだったな。

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