きりんの散歩

趣味は美術館めぐり。生息地は福岡。遠くまで行くこともあります。アイコンは我が家のモネちゃん。twitter:@kirin11_04

あいちトリエンナーレ1日目@愛知


福岡に住み始めて、大分よりとても良いところとして空港がめちゃくちゃ近いことが挙げられる。大分は大分市からバスで1時間くらいかかっていたのが、こっちは博多から地下鉄で2駅。加えて、地下鉄からチェックインカウンターまでも近い。実家に帰るくらいの時間で旅行も行けてしまうのだ。今回の旅行先は愛知県。愛知県は2017年7月の奈良美智さんの個展以来。そして芸術祭は2018年9月の新潟県大地の芸術祭と土と水の芸術祭以来、2回目。

先に記述すると、本来の姿で展示されなかった作品と出会った瞬間。現実だったんだと落胆した。本当に見れなくなっていた。存在しているのに、壊れたわけではないのに、あったのに、なかった。もうみることはできないのだろうな、と寂しかった。

 

〈1日目〉

福岡空港中部国際空港駅名古屋駅

愛知芸術文化センター→チェックイン

名古屋市美術館→ 四間道・円頓寺


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早い電車に乗れたので予定前に栄に着いた。だがうっかりなことに写ルンですを買うのを忘れてしまっていたため、近くのヨドバシカメラに行って購入。今回はキチンと旅のしおりを作ったものの、忘れ物チェックリスト自体を忘れていた…。次は作るぞ!

まずは愛知芸術文化センター。思った3倍大きい建物だった。コンビニで買った前売り券のパスポート引き換えのため10階へ。特典の手ぬぐいは品切れになっているため郵送になると説明される。え、郵送してくれるの!?ありがたや。パスポートは美容院のポイントカードみたいな二つ折りカードで、裏に名前を書くので尚更ポイントカードにしか見えない見た目。キャリーバッグは10階と8階のインフォメーションで預けられ、コインロッカーのコインもここで希望を伝えると貰える。荷物が多いと疲れやすいことから、どの展示会も財布、スマホ写ルンです、チケットくらいの最小限な持ち物しか持ちたくないので、サコッシュがベスト。買ってからずっと連れてまわっている大槻香奈さんのゆめしかちゃんサコッシュがちょうどいい。会場はほぼほぼ写真撮影可能。金曜日の11時頃のためあまり混んではいない。というか土日もそんなに混んでいなかった。そのため人数制限ありな映像作品以外は、全体的に自分のペース配分で観れる。ここで気になった作品↓

A02『The Kiss』エキソニモ

A06『孤独のボキャブラリー』ウーゴ・ロンディノーネ

A09『2と3、もしくはそれ以外(わたしと彼女)』石場文子

A10『環世界とプログラムのための肖像』村山悟郎

A12『モダンファート 創刊号
特集 没入感とアート
あるいはプロジェクションマッピングへの異常な愛情』伊藤ガビン

A13『Stranger Visions, Dublin: Sample 6』ヘザー・デューイ=ハグボーグ

A14『ラストワーズ/タイプトレース』dividual inc.

A16『なにもない風景を眺める』文谷有佳里


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A02、06、09、13、14はツイートしてる人が多く部屋に入ったときに、これかこれか…となるので、事前にツイッター検索で色んな意見をみるのもあり。

A12はゆるーいやり取りがツボ。でも道路のところで激しく酔った。ここは上映時間と各回20人の入場制限あるので、時間を先に確認すると効率的にまわれる。日曜日に再び訪れると観覧は整理券式になっていたので、スタッフさんに話しかけるべし。

A16は何を言っているか分からないかも知れないけど、作品の中に作品があった。所々、線が消えてて掠れてることからプリントではなく手書きだと気付く。

出口から真っ直ぐ歩くとA18『ドローンの影』ジェームズ・ブライドルが上から見れる階段があるが、見逃しそうな場所にあるので注意。


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1週してから8階へ。入るとA40a『アート・プレイグラウンド はなす TALK』があって、なにやら楽しそうな雰囲気だけど、作品ではない空間に???となっていたら、ボランティアさんと話す場とのこと。グラスにテーマが決まっており『愛について』。どう思うか…。パッと浮かんだのは、私がアセクシュアルで愛についてよく分かんないけど、レンタルなんもしない人のツイートで相手が振り向いたときに好きって感じたの一文をみて、愛って、好きって、そんなときに気付くんだと思った話をする。ボランティアさんはレンタルさん知らなかったので、レンタルさんの面白さや、今後の旅程、美術館めぐりや絵を買うことなど話しながら、最後にボードに感想を書く。〈受け入れることが愛になるになるかな〉。まだひとりだけに特別な愛を感じたことはないし、これからも持たないだろうけど、何かに対して好ましいという感情はあるので今も好きなものは好きだし、これからも愛を持たずとも勝手に生きていく。無くても別に困ってはないので、いつかあるかもしれない未来は渇望よりも、遠い星のお話のような神話のような奇跡的な響きがした。お話しが終わってからも地に足がついていない思考のまま入場。

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ここで気になった作品↓

A19『tsurugi』今村洋平

A20『日常演習』袁廣鳴(ユェン・グァンミン)

A24『原子力の時計』スチュアート・リングホルト

A25『トラベル・ピクチャーズ』ワリード・ベシュティ

A29『Gesture of Rally #1805』澤田華

A32『Conflagration』藤原葵

A33『ラヴ・ストーリー』キャンディス・ブレイツ


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A20『日常演習』、『明日の楽園』の爆音が入り口から作品過ぎてからも聞こえる。不穏な音なので何事だろうかと不穏な気持ちになる。とか言いつつもワクワクしてる。入ってすぐのA19すごい好き。絵の具モリモリ作品は基本的にどれも好む傾向があるので、もれずに1室目好き。A20はちょこちょこっとだけ人がいるのを見つけるのが楽しかった。A25は飛行機に乗ったら写ルンです半分感光したのを思い出した。だから行きに買わないことにして、そのまま会場についてしまったのだ。帰りは絶対に感光を阻止しなければならないと決意を固めた。A29は1枚目の写真だけじゃ全然気にも止めてなかったのに、こんなやつ居たんか!となる。途中の近しきものリストをペラペラするも必然性がないものばかりで、一体アイツの正体は…。A32はさっき話したボランティアさんと遭遇。隠れキャラについて教えてくれたので、目を皿にして鑑賞。確かに1個見つけたら次から次に見つかる。A33はひとりひとりの出来事はきっと世界的なニュースとして取り扱っていたはずで、でも知らなかった。言語は分からないけど、本人の表情から伝わってくる悲しさ、戸惑い、言い出しにくかったり、言葉がでてこない気持ちたち。


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一旦チェックインのため名古屋駅へ。地下から全く地上に出れず、恐ろしい場所に来てしまったと思った。今回の旅行では1回もホテル側に出れず、何故か反対側にしか着かない呪いにかけられていた。難しい駅だ…。

 

次は名古屋市美術館へ。

N01『ガラスの中で』碓井ゆい

N03『無情』藤井光

N04『The Clothesline』モニカ・メイヤー

N05『五重塔/壷 ほか』桝本佳子

N07『1996』青木美紅

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N01はもっと大きいかと思ってた。可愛いなーってみてたらボランティアさんからクマの首が無いことを教えてもらう。意外とちゃんと見てなかったよ、クマちゃん。この日は雨だったが、晴れてたら日差しにより透けてみえたのかもしれないなって想像してみた。N03は古いほうには映画館の椅子があって、現代のほうは立ちながら4つのスクリーンを観る。今だったら昔の動き方は出来ないなって思った。あんなの無理だ。N04は今までこの作品が辿ってきた歴史図が壁にあって、最後は愛知でやったよってなってる。でも実際は展示してない。くしゃくしゃになった紙が散らばり、書かれるはずだった言葉たちの行方も無くなってしまったかのよう。その隣にN05の鳥が優雅に飛んでいる。愛らしい雰囲気の作品で、超絶技巧的な陶磁器の捉え方が広がる。N07は部屋全体に刺繍が施されて、クルクルと回る部分に目がいく。椅子に座ってるヒツジが可愛い。


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地下ではコレクション展と子どもたちの言葉があった。勉強って大事なの?って疑問だよね。強制されるって感じちゃうよね。でも大人になると勉強もっとしとけばよかったって、私は後悔してるぞ。

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その後は四間道・円頓寺へ。暗くなって照明のついた商店街の雰囲気がとてもいい。ここで気になった作品↓

S08『声枯れるまで』キュンチョメ

S10『輝けるこども』弓指寛治

S50『Chilla: 40 Days Drumming』ユザーン

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S10は非常扉みたいなところから入る。なんであんな扉でちゃんとした部屋があるんだろうか。中は1室と2室があり、どちらもはなすで話したことじゃないけど、なんか愛についてダイレクトに胸に来た。親子関係だったり、好きな人の性別だったり、自分自身の性別や存在だったり。違和感から心地よい場所を追い求めた姿だと思った。私はこのままきっと誰かから愛されることはあれど、ライクはあってもラブは与えられない。恋愛溢れる世の中に違和感があるけど、名前を変えたり、新しい名前を声が枯れるまで叫ぶことはないだろう。だからこそ作品に出てる人が違和感に対して行動してきたことや自分自身を受け入れるている姿が眩しかった。それから別に私は誰かを愛さなくていいんだよねって、しなくていい私でもいいって改めて自分を肯定することもできてちょっと泣いた。ひっそりと2室目にラジカセがあり、ひたすら名前を叫んでる音源をラジカセで巻き戻して再生するという行為が懐かしかった。S10ははじめて車に乗ったのを思い出した。車校で絶対に事故を起こさないようにしようとしても起きてしまうから、対人事故だけは起こさないようにしなければ…しかし車社会の地方都市は車に乗る機会が多いからなと怖くなって、脳内でシンジの「逃げちゃダメだ」のシーンを再現したなーって。小さな空間なのに実際の車があったり、扉を開けたり、カーテンを開けたり、暖簾をめくったりと仕掛けが多い。折り鶴の妖精がとても印象に残った。愛知芸術文化センターのグッズコーナーにTシャツを見つけて、買うかちょっと迷った。S50は音だけ聴いてたらもっと色んな場所を叩いて奏でてると思いきや、右手と左手の1つずつ、ちょっと違う場所を叩いたり、リズムで緩急つけてた。行ったのは閉まる1時間くらい前だけど、疲れは見られなかった。ポコポコが心地よい。

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次は豊田だ!

 

追伸

この日は金曜。ここで名古屋市科学館に行けば良かった。日曜激混みだった…。豊田美より並んでた。

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