修学旅行を忘れた@京都奈良大阪
こんなに道中わくわくした旅は久々だ。
現代における旅の道中とは、Googleに導かれて特に寄り道せずに目的地に着くことと大多数が当てはまるのではないだろか。何度も同じ目的地を訪ねる場合は、Googleさえも要らなくなり日常みたいになってしまう。
私にとって目的地が美術館となる旅行が多い。食にこだわることなく、目についたコンビニかマクドナルドかサイゼリア で充分だった。知ったものの安心を繰り返すうちにいつしか旅行先でさえも日常の延長線として気持ちが続いたままで、マップの広がらないRPGのようになっていた。
それでも目的地につけば、展示替えごとに非日常が作られていた。美術館はいつもそこにあるにもかかわらず、見慣れない空間が用意されているから好きだ。なかでも知らない目的地は尚更に良い。キョロキョロと歩きながらはじめましてと、ひとつひとつの作品に挨拶するのは友だちが増えていく世界感の広がりが気持ちよくなる。
今回は奈良京都大阪巡り。
奈良は中学校以来の12年ぶり。
京都は大学サークル以来の7年ぶり。
大阪は逃げたくなって衝動的にみた太陽の塔以来の2年ぶり。
ひとり旅の道中がこんなにわくわくしたの久々だった。
博多〜難波まで夜行バス
早朝到着〜奈良へ
○東大寺
○奈良公園
めちゃくちゃ鹿いた。こんなに居たのかってくらい。朝早くから鹿はウロウロとしていて可愛かった。オスのツノをちょんって触ってみたら、生温くてビックリした。皮膚みたいだった。奈良の大仏は8時すぎにはぜっっっんぜんひとがいなくて見やすかった。自分はあのときより大きくなったのに、大仏こんなに大きかったかな。実家にゃんずの健康を祈った。そうこうしてたら美術館たちが開いたので見てまわった。仏像をこんなに浴びるようにみたのは、それこそ中学校の修学旅行ぶりくらい。あのときはつまらなくてただ通り過ぎていたけれど、心が穏やかになって手を合わせたくなるのは何処から現れてくるのだろう。奈良がそうさせるのか?博物館行ったときに警備員のおじさんが「いらん世話やけど」と上着を裏返しに着てたの指摘されたけど、恥ずかしさはすぐに浄化されていたし、奈良は相性が良いのだろう。
奈良〜大阪へ
○アトリエ三月
むくむくしたけもの初個展
『むずかしく考えないで、リラックスして』
とっても好きな現代作家。ほんとはもっと買いたかったけど、きっと欲しいとか飾りたいとか、ゆくゆくはもうひとつ隣同士にしたらどうだろう?とかって、見た人が思うのが作品をお迎えしたくなる心理なので誰かの分と今月の生活費を残しておいた。有名になってとか思わんでもないけども、これを生活の足しにしてほしいとは思ってて。どの作品もお迎え先で穏やかさが居着いてくれるようなかたまりな作風。そんなむくむくしたけものさんが教えてくれた想さんもずっと気になってて、今回その隣同士にしたらよいのではないかという気持ちがむくむくとやって来たのだ。明日から一文無しになろうとも後悔はない。しばらくこの展示のために永らえたいのちは、お迎えしたらまた新しく延命が更新されていくのであろう。
大阪〜奈良へ
○春日大社
○奈良公園
特にどうでもよいLINEを日頃からするのはもっぱら妹きゅんか母なので、鹿を送ろうと思ったら容量足りなくて朝撮ってたハズの鹿の写真が残ってないと気付いた。悲しい。しかし京都奈良大阪のいいところは1時間くらいで1000円くらいで行き来できるところなので、真っ直ぐに奈良にトンボ帰りした。奈良公園…いや鹿は素晴らしい。ついでに朝行けなかった春日大社へ。奈良に春日大社あるんだって興味なかったけど、あまりに東大寺が染み渡ったので行ってみた。鹿と春日大社よきかな。鹿のおみくじにときめいて買った。アイラインと目の大きさは書き手のセンスによるので吟味して慎重に鹿を選んだ。その後、寝るために大移動している鹿が奈良国立博物館辺りにいたためいい時間になるまで眺めてた。
奈良〜京都へ
○ゲストハウス雅純
あれ、京都って観光客くっそ多いってイメージだったけど、そもそも住んでるひとで溢れかえってたんだね。四条通りの交通量がエグくて気が遠くなった。東京はひとが多いけどおひとりさまばかりで集団って感じなかったのに、京都はこんなに楽しそうに歩いてる人を大量に見たことなくて迷子になったみたいで泣きそうだった。
そんななかでひっそりとした街並みに移り変わって、着いた宿はめちゃくちゃにアットホームで犬もいて…ほんと大好きになった。京都泊まるならココだってなった。
1泊してからの京都
○平安神宮
○京セラ美術館
○清水三年坂美術館
この宿にしたのは美術館が近いからさ!神社や寺は朝早くからやってて1日をはやく始められるからお得感すごい。現金たりなくなっておみくじ諦めたけど、木彫りの今年の干支を下半期に入ったけど、いいんだと割り切って買った。この牛は妹きゅんに送るんだ。教えてもらった蚤の市は今日は延期になってたけど、次来るときは金曜だし、蚤の市やってるときだし、と旅行するうえでの条件が足されるのが活用頻度の少ないレア知識を足や人伝で稼いでるみたいで楽しい。
清水三年坂美術館はテレビでみてうわーーーって思ったけど、もっともっと超絶技巧を極めた江戸〜明治あたりの名品しかなくて目が忙しかった。同じ頃見てたカップルが「なんかお金持ちになったみたい」ってコメントが、確かに殿様やら天皇家やらヨーロッパの王宮やらに買われた品々に囲まれてるからこその受け止め方で面白かった。私は作り方ばかり気になるので、こういう新しい呟きに気がつけるため美術館はある程度お喋りOKと考えている。
ちょうど出たら狐の嫁入りに当たった。足止めくらって着いたバス乗り場が同じ名前が多くて分かりづらかった。1日フリーパスはもっと早く気がつくべきだった…など反省はあるけど、ほんとに胸が弾んだ旅行が過ごせて嬉しかった。新幹線で日本酒のみながら、振り返るにはあまりに感情を持て余してる。
追伸 いつも旅行となったらマンネリ気味の旅程から逃れるように服装だけは気をつけてる。はちゃめちゃに可愛い服しか買わないし着たくないのだ。 1日目は、むくむくしたけものさん初個展を記念してむくむくしたけものTシャツのオールホワイトコーデ。 2日目はだっっつつつい好きなファッションブランドのレベッカブティックが閉店するので、ありがとうの気持ちで最後に購入したワンピース。 あの頃は不登校真っ盛りだった。いま26歳の自分があの時とほぼ同じルートを辿ったけど、こんなにも忘れてる。随分と記憶を上塗りした。