きりんの散歩

趣味は美術館めぐり。生息地は福岡。遠くまで行くこともあります。アイコンは我が家のモネちゃん。twitter:@kirin11_04

あいちトリエンナーレ1日目@愛知


福岡に住み始めて、大分よりとても良いところとして空港がめちゃくちゃ近いことが挙げられる。大分は大分市からバスで1時間くらいかかっていたのが、こっちは博多から地下鉄で2駅。加えて、地下鉄からチェックインカウンターまでも近い。実家に帰るくらいの時間で旅行も行けてしまうのだ。今回の旅行先は愛知県。愛知県は2017年7月の奈良美智さんの個展以来。そして芸術祭は2018年9月の新潟県大地の芸術祭と土と水の芸術祭以来、2回目。

先に記述すると、本来の姿で展示されなかった作品と出会った瞬間。現実だったんだと落胆した。本当に見れなくなっていた。存在しているのに、壊れたわけではないのに、あったのに、なかった。もうみることはできないのだろうな、と寂しかった。

 

〈1日目〉

福岡空港中部国際空港駅名古屋駅

愛知芸術文化センター→チェックイン

名古屋市美術館→ 四間道・円頓寺


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早い電車に乗れたので予定前に栄に着いた。だがうっかりなことに写ルンですを買うのを忘れてしまっていたため、近くのヨドバシカメラに行って購入。今回はキチンと旅のしおりを作ったものの、忘れ物チェックリスト自体を忘れていた…。次は作るぞ!

まずは愛知芸術文化センター。思った3倍大きい建物だった。コンビニで買った前売り券のパスポート引き換えのため10階へ。特典の手ぬぐいは品切れになっているため郵送になると説明される。え、郵送してくれるの!?ありがたや。パスポートは美容院のポイントカードみたいな二つ折りカードで、裏に名前を書くので尚更ポイントカードにしか見えない見た目。キャリーバッグは10階と8階のインフォメーションで預けられ、コインロッカーのコインもここで希望を伝えると貰える。荷物が多いと疲れやすいことから、どの展示会も財布、スマホ写ルンです、チケットくらいの最小限な持ち物しか持ちたくないので、サコッシュがベスト。買ってからずっと連れてまわっている大槻香奈さんのゆめしかちゃんサコッシュがちょうどいい。会場はほぼほぼ写真撮影可能。金曜日の11時頃のためあまり混んではいない。というか土日もそんなに混んでいなかった。そのため人数制限ありな映像作品以外は、全体的に自分のペース配分で観れる。ここで気になった作品↓

A02『The Kiss』エキソニモ

A06『孤独のボキャブラリー』ウーゴ・ロンディノーネ

A09『2と3、もしくはそれ以外(わたしと彼女)』石場文子

A10『環世界とプログラムのための肖像』村山悟郎

A12『モダンファート 創刊号
特集 没入感とアート
あるいはプロジェクションマッピングへの異常な愛情』伊藤ガビン

A13『Stranger Visions, Dublin: Sample 6』ヘザー・デューイ=ハグボーグ

A14『ラストワーズ/タイプトレース』dividual inc.

A16『なにもない風景を眺める』文谷有佳里


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A02、06、09、13、14はツイートしてる人が多く部屋に入ったときに、これかこれか…となるので、事前にツイッター検索で色んな意見をみるのもあり。

A12はゆるーいやり取りがツボ。でも道路のところで激しく酔った。ここは上映時間と各回20人の入場制限あるので、時間を先に確認すると効率的にまわれる。日曜日に再び訪れると観覧は整理券式になっていたので、スタッフさんに話しかけるべし。

A16は何を言っているか分からないかも知れないけど、作品の中に作品があった。所々、線が消えてて掠れてることからプリントではなく手書きだと気付く。

出口から真っ直ぐ歩くとA18『ドローンの影』ジェームズ・ブライドルが上から見れる階段があるが、見逃しそうな場所にあるので注意。


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1週してから8階へ。入るとA40a『アート・プレイグラウンド はなす TALK』があって、なにやら楽しそうな雰囲気だけど、作品ではない空間に???となっていたら、ボランティアさんと話す場とのこと。グラスにテーマが決まっており『愛について』。どう思うか…。パッと浮かんだのは、私がアセクシュアルで愛についてよく分かんないけど、レンタルなんもしない人のツイートで相手が振り向いたときに好きって感じたの一文をみて、愛って、好きって、そんなときに気付くんだと思った話をする。ボランティアさんはレンタルさん知らなかったので、レンタルさんの面白さや、今後の旅程、美術館めぐりや絵を買うことなど話しながら、最後にボードに感想を書く。〈受け入れることが愛になるになるかな〉。まだひとりだけに特別な愛を感じたことはないし、これからも持たないだろうけど、何かに対して好ましいという感情はあるので今も好きなものは好きだし、これからも愛を持たずとも勝手に生きていく。無くても別に困ってはないので、いつかあるかもしれない未来は渇望よりも、遠い星のお話のような神話のような奇跡的な響きがした。お話しが終わってからも地に足がついていない思考のまま入場。

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ここで気になった作品↓

A19『tsurugi』今村洋平

A20『日常演習』袁廣鳴(ユェン・グァンミン)

A24『原子力の時計』スチュアート・リングホルト

A25『トラベル・ピクチャーズ』ワリード・ベシュティ

A29『Gesture of Rally #1805』澤田華

A32『Conflagration』藤原葵

A33『ラヴ・ストーリー』キャンディス・ブレイツ


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A20『日常演習』、『明日の楽園』の爆音が入り口から作品過ぎてからも聞こえる。不穏な音なので何事だろうかと不穏な気持ちになる。とか言いつつもワクワクしてる。入ってすぐのA19すごい好き。絵の具モリモリ作品は基本的にどれも好む傾向があるので、もれずに1室目好き。A20はちょこちょこっとだけ人がいるのを見つけるのが楽しかった。A25は飛行機に乗ったら写ルンです半分感光したのを思い出した。だから行きに買わないことにして、そのまま会場についてしまったのだ。帰りは絶対に感光を阻止しなければならないと決意を固めた。A29は1枚目の写真だけじゃ全然気にも止めてなかったのに、こんなやつ居たんか!となる。途中の近しきものリストをペラペラするも必然性がないものばかりで、一体アイツの正体は…。A32はさっき話したボランティアさんと遭遇。隠れキャラについて教えてくれたので、目を皿にして鑑賞。確かに1個見つけたら次から次に見つかる。A33はひとりひとりの出来事はきっと世界的なニュースとして取り扱っていたはずで、でも知らなかった。言語は分からないけど、本人の表情から伝わってくる悲しさ、戸惑い、言い出しにくかったり、言葉がでてこない気持ちたち。


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一旦チェックインのため名古屋駅へ。地下から全く地上に出れず、恐ろしい場所に来てしまったと思った。今回の旅行では1回もホテル側に出れず、何故か反対側にしか着かない呪いにかけられていた。難しい駅だ…。

 

次は名古屋市美術館へ。

N01『ガラスの中で』碓井ゆい

N03『無情』藤井光

N04『The Clothesline』モニカ・メイヤー

N05『五重塔/壷 ほか』桝本佳子

N07『1996』青木美紅

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N01はもっと大きいかと思ってた。可愛いなーってみてたらボランティアさんからクマの首が無いことを教えてもらう。意外とちゃんと見てなかったよ、クマちゃん。この日は雨だったが、晴れてたら日差しにより透けてみえたのかもしれないなって想像してみた。N03は古いほうには映画館の椅子があって、現代のほうは立ちながら4つのスクリーンを観る。今だったら昔の動き方は出来ないなって思った。あんなの無理だ。N04は今までこの作品が辿ってきた歴史図が壁にあって、最後は愛知でやったよってなってる。でも実際は展示してない。くしゃくしゃになった紙が散らばり、書かれるはずだった言葉たちの行方も無くなってしまったかのよう。その隣にN05の鳥が優雅に飛んでいる。愛らしい雰囲気の作品で、超絶技巧的な陶磁器の捉え方が広がる。N07は部屋全体に刺繍が施されて、クルクルと回る部分に目がいく。椅子に座ってるヒツジが可愛い。


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地下ではコレクション展と子どもたちの言葉があった。勉強って大事なの?って疑問だよね。強制されるって感じちゃうよね。でも大人になると勉強もっとしとけばよかったって、私は後悔してるぞ。

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その後は四間道・円頓寺へ。暗くなって照明のついた商店街の雰囲気がとてもいい。ここで気になった作品↓

S08『声枯れるまで』キュンチョメ

S10『輝けるこども』弓指寛治

S50『Chilla: 40 Days Drumming』ユザーン

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S10は非常扉みたいなところから入る。なんであんな扉でちゃんとした部屋があるんだろうか。中は1室と2室があり、どちらもはなすで話したことじゃないけど、なんか愛についてダイレクトに胸に来た。親子関係だったり、好きな人の性別だったり、自分自身の性別や存在だったり。違和感から心地よい場所を追い求めた姿だと思った。私はこのままきっと誰かから愛されることはあれど、ライクはあってもラブは与えられない。恋愛溢れる世の中に違和感があるけど、名前を変えたり、新しい名前を声が枯れるまで叫ぶことはないだろう。だからこそ作品に出てる人が違和感に対して行動してきたことや自分自身を受け入れるている姿が眩しかった。それから別に私は誰かを愛さなくていいんだよねって、しなくていい私でもいいって改めて自分を肯定することもできてちょっと泣いた。ひっそりと2室目にラジカセがあり、ひたすら名前を叫んでる音源をラジカセで巻き戻して再生するという行為が懐かしかった。S10ははじめて車に乗ったのを思い出した。車校で絶対に事故を起こさないようにしようとしても起きてしまうから、対人事故だけは起こさないようにしなければ…しかし車社会の地方都市は車に乗る機会が多いからなと怖くなって、脳内でシンジの「逃げちゃダメだ」のシーンを再現したなーって。小さな空間なのに実際の車があったり、扉を開けたり、カーテンを開けたり、暖簾をめくったりと仕掛けが多い。折り鶴の妖精がとても印象に残った。愛知芸術文化センターのグッズコーナーにTシャツを見つけて、買うかちょっと迷った。S50は音だけ聴いてたらもっと色んな場所を叩いて奏でてると思いきや、右手と左手の1つずつ、ちょっと違う場所を叩いたり、リズムで緩急つけてた。行ったのは閉まる1時間くらい前だけど、疲れは見られなかった。ポコポコが心地よい。

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次は豊田だ!

 

追伸

この日は金曜。ここで名古屋市科学館に行けば良かった。日曜激混みだった…。豊田美より並んでた。

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kirin1104.hatenablog.jp

 

 

Faces41@大槻香奈

 

ツイッター経由で発見した作家さんたちの絵が欲しいとずっと思っていた。見つけたときは学生だったので、社会人になったら買おうと決めていた。前に紹介したむくむくしたけものさんもそうだし、今回取り上げる大槻香奈さん(Twitter:@KanaOhtsuki )もその中のひとりだ。

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いつからか分からないが下田ひかりさんが先か大槻香奈さんが先かで見つけたと思う。少女もステキだし、ゆめしかちゃんは可愛い。3次元で会ったのは2017年11月25日、The Artcomplex Center of Tokyoで開催された「生の断面 / 死の断片」個展。めちゃくちゃ大きいゆめしかちゃん立体像がいたり、いい香りがしたり、ちっちゃいゆめしかちゃん立体像もいたり、大槻さん本人も居たりした。このとき鏡を使ったミラー作品の可愛さに胸を打たれた。ACTを出てすぐに「ミラー作品欲しいんやけど、お金がないんよね、折半せん?」と同じく大槻さん好きな高校生の妹に電話し、旅行を我慢しろと現実的な資産運用について指摘された。ごもっともである。美術めぐり旅行も作品も諦めたくないが、儘ならぬ現実。作品を買わなかったことをずっと後悔していた。


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次に行ったのは2018年12月16日、白白庵「祝福、ふたたび」個展。この時にテンション上がったこととしては、どの子もいいな、あぁ欲しいなと思うファン心をくすぐるステキなチェキ販売を大槻さんは開始したことが挙げられる。最終日だからチェキ残ってないかと期待少なめだったが、そんなことなかった。壁に貼られたチェキを撮って妹に送り、2枚ずつ買えたのはとてもいい思い出。ちょうど転職活動中で、面接の準備に追われて疲れていた時期のオアシスとなる記憶。


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個展のときにも作品購入できる機会があるけど、お目当ての作品やビビッときた作品は大体買い手がついている。個展購入はタイミングが難しい…私にできることはondo online HP(http://store.ondo-info.net/)をちょくちょく覗いて、更新チェックだ!ミラー作品来ないかな、次かな、といつものように見ていたら遂にそのときは来た。

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『Faces41』

 

最高。

 

追伸

妹に教えてもらったVHS風に撮れるアプリがいい。なんと動画も撮れる。昔の写ルンですはオレンジ色の日付が写真に入るのが好きで、このアプリも日付が入るところが気に入っている。HUJIもよいよ。

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こっちむいて@大分

 

帰省が下手すぎるといつも感じる。乗るのは出来るけど降りるのが疎かになっていて、気付くと乗り過ごすことが多い。今回は乗り過ごしたと思って母に電話したら、全然そんなことなくてひと駅前だった。私は地元の風景さえも忘れてしまったらしい。宇佐のハリウッドをパクってUSAの看板立ててる山が無いなーと思ってはいたけど、そりゃ無くて当たり前だったのだ。

今回は予定なく帰省したので、とりあえずopam(大分県立美術館)に行くと、今は『ムーミン展 THE ART AND THE STOR』をしていた。オープンとともに入ると20人ほど並んでいた。こういうときは入り口が混むのでサクッと最後まで行って逆走するという巡り方をする。ぐるっと回ってみたときに展示室の壁をジグザグに作ることで動線を長くして、各壁の切り返しゾーンに監視員さんがいるという空間作りは、まるで突き当たりごとにトレーナーがいるポケモンジムのよう。どの壁にもずっとムーミンたちがいて、なかには作者が実際にムーミンを描いてる動画があって、手と尻尾は同じジグザグ感だったのか!と驚いた。というか尻尾あったんだね!とも驚く。すごく簡単に描いていたので真似しやすそう。イメージとしてはキャラクター人気でいうと音声ガイドにもなってるスナフキンがもっといるかと思ったら、なかはムーミン以外の絵が少なくムーミンオンリーイベントだった。終盤に浮世絵とシーンを見比べようコーナーがあって、大はしあたけの夕立や神奈川沖浪裏とか超絶有名浮世絵が!意外と初見。各媒体で見過ぎている作品なので、親近感ありすぎるけどもしかして初めてましてですかね?みたいな初めてのオフ会っぽい挨拶を心の中でしてしまった。最後にはしっかりしたグッズコーナーもあって、マスキングテープ集めに勤しんでしまった。今回の好きな作品はムーミンが上半身だけ寝そべってるやつと、ムーミンパパが水に浸かってジト目になってるやつ。あと面白かったのはムーミンが初めて演劇化したときの舞台写真。ムーミンの着ぐるみまで分かるけど、何故に顔をくり抜いて顔面だけ人間味出してきたのか!?と衝撃的な写真だった。絶対に3度見しちゃう。


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追伸

パン屋さん好きなので大分フォーラス跡地のオーパにパン屋さん発見してテンション上がった。最近流行りのチョコチップどんだけ入れるん?みたいなパン美味しい。

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妹にバンバラ切りされた天使。

 

ぱおーん@東京

 

東京旅行、第3弾。締めはマンモス展だ!

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まずお台場はじめて行った。ゆりかもめが海の中を進んでるみたいで楽しかった。科学未来館の中に入ると吹き抜けで、上には有名な地球儀がお出迎え。入り口前には音声ガイド案内がある。あまり詳しくない展示内容のときは音声ガイドを聴いて知識を仕入れるようにしている。大人と子ども向けの2種類があって、子ども向けは声優の東山奈央ちゃんでとっても惹かれたけど、マンモスについて詳しく知りたかったので大人向けにした(ちなみに東山奈央ちゃんは神のみぞ知るセカイで中川かのん役だったのだが、その中川かのんの曲がサイコーに良い。アニメキャラなのにアルバムも出している!!!しかも2枚も!これがとても良いのだ…。いま調べたらこれがデビューとは東山奈央ちゃんすごい。LOVE KANONとハッピークレセントだけでも聴いてほしい)。

少し進むとこんなすぐ出てくる?ってくらいにすぐにマンモスが出てくる。もっと生態とか環境の話をしてからだと思っていたので、おお〜と声でそうになった。いや、思い返すと声でてた。このマンモスは常温で保存可能な処置がされているとのことで、ミイラみたいな見た目をしている。

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音声ガイドでいとうせいこうが現れるのだが、教育テレビガチ勢だったのでセイコー!って気分はビットワールドになる。私的には梶さんでなく、いとうせいこうが音声ガイドのナビゲーターでも面白かったと思うけど、SNSへ拡散される層には有名声優を起用するのが最近の流行りなのだ。

その後は生態のゾーン。マンモスの全身骨格、頭部、歯、毛、フンが展示されていた。マンモスは大量の草を食べていたので、歯がすり潰すような形をしている。集合体恐怖症のひとはマンモスの歯は苦手そうな形だった。どのくらいあの歯が口の中にあるのか分からないけど、1つの歯が人の顔のくらい大きさでがっしり感があるのに、食べていたのは草だけとは意外。あと等身大パネルあったけど背丈は3メートルほどでそんなに大きくなくて威圧感は特にない。この大きさが当時で最大動物で敵は人類が現れるまで居なかったとのこと。一角にはマンモスの実際の毛が触れるふれあいコーナーがあった。ちっちゃい子がぴょんぴょんしながら近づいて行ってくれなかったら見過ごすくらいひっそりしてた。ありがとう少年。スタッフのお姉さんによると「カピバラっぽいらしいですよ」とのこと。確かにカピバラっぽい!カピバラ触ったときは竹ぼうきかと思ったけど、マンモス触ったらカピバラっぽい。マンモスの毛のほうが細い気がするが、あんな感じだ。またお姉さんは「カピバラは背中のところを触られると気持ちいいみたいですね」と教えてもらった。それを地方テレビでやってたから長崎バイオパークカピバラを触りに行ったのだよ、数年前の私。そして今、猫を飼って繋がってしまった「お尻の上のところですよね、ネコと一緒の場所ですね」。


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進むと大きなスクリーンに、永久凍土の発掘現場の映像が流れていた。ヘルメットに水入れて泥を落としたりとワイルド。子馬1体や、マンモスの骨が一式など発掘される。ダイジェスト版なのでポンポン発掘される様子に釘付け。完全版ないかなーってホームページみてたらフジテレビのアプリで観れるんだ!観よ!美術館の映像作品は難解な上に何十分もあって時間潰れるしよく分からないので飛ばしがちだけど、この展示の数カ所ある映像展示部分はもっと流してよ?ってくらいにワクワクさせてくれるし、もっと観たくなった。

次はとーーーってもお金がかかったらしい冷凍展示室。無風でマイナス20度を保ちながら曇らないガラスは東京にマンションが建つほどの料金が発生したと書いていてビビる。よく東京の電車に〇〇駅徒歩〇分〇月完成予定って広告に載ってるあの値段なのか。中には先程の映像ででてきた太古の馬まるっと1体と状態のいいマンモスの皮膚、太古の犬、太古の鳥、太古のバッファローがいた。見所がパネルになっていて、馬は血液や尿が採取されたとのこと。これからどんな発見に繋がるんだろうか。胃の中から毒性の草がでてきたバイソンのうぐぐ…みたいな表情ツボだったな。


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それからは採取されたマンモスの細胞核の活動が認められるまでの漫画みたいな展示。マンモスは今後の技術が発展して蘇るのか、でも蘇らせてもその個体は適応する場所ないし繁殖もできないだろうし蘇らせてもいいのか。マンモス模型の足に個体認知の輪っかがついてた。ジュラシックワールドみたいに恐竜は無理かもしれないけど、マンモスだと復活があり得るんじゃないかってリアリティあった。もしも復活してもその子は研究所での生活になるんだろうな。


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今回の展示内容は世界初公開が多数あり、日本初、何十年振りの日本再来ばかりな贅沢な内容となっていた。純粋にマンモスって存在にわくわくした。人類の夢であり続けるって言葉どおりの憧れがぎっしり詰まってた。小学生のときにキッコロモリゾー愛地球博が開催されて、おっきなカモノハシのぬいぐるみに乗ったり、歩く歩道の上を流れながらマンモス見てるひとがめちゃくちゃ並んでるニュースを当時飽きるほど毎日やってて、でも旅行行くような家族じゃないから行けなくて心残りだった。マンモス見れて嬉しいな。福岡にも巡回するので、そっちも行かねばならぬ。

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追伸

ガンダムみた!

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家族シェアパケットでWi-Fiない私が率先してギガ使うからここ何ヶ月か通信制限かかって家族みんな月末はスマホ使えないぞプンプンってされてたけど、ポケットWi-Fi契約してついでにラインモバイルに乗り換えてQOL上がった。

モネちゃん@東京

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一番好きな画家はクロード・モネ印象派の中心的な存在で、睡蓮が有名で、ふわっとして、キラキラしている、あのモネだ。私が美術館にハマったのも、福岡市美術館で開催されたモネ展が凄すぎた故に、初めて行った美術館という空間+モネ作品の美しさ=帰りたくない場所ってあるんだなと、魅力がインプットされてしまったのだった。それからバイトしてお金を手にするまでしばらくかかったけど、沼のように美術館にハマっていったのである。

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さて、そもそも美術館ってなに展示してんの?という答えにはとーっても大雑把に企画展と常設展という2つの分け方ができる。ひとつめの企画展は期間限定のいろんな地域の旬なもので美味しいの作りましたという内容で、ふたつめの常設展は大体いつも同じメンツから所蔵している作品で安定のオールスター集めましたって内容ともいえるし、言えないかもしれないし。わたし的な展示内容の分け方からするに、どんな美術館か知りたければ常設展をみるのがイチバン伝わってくる。常設がダサいところは企画もダサくなりがちなのだ。部屋の大きさやどんだけ金がかかってるかなど鑑賞者にとっては些細な違いで、どの常設展も美術館のセンスが自分と合っているかのバロメーターとなり、安くて、気軽に行きたい、ゆっくり鑑賞したい、ちょこっとだけ解説をききたいひとにはオススメ!

私には特に好きな常設展が2つある。ひとつは地元びいき目で見ても素敵な大分県立美術館。朝倉文夫、福田平八郎、岩澤重夫、竹細工、南画など幅広く地域密着の小物から大型作品までバラエティ豊か、且つよく展示内容が衣替えするのも飽きなくていい。ふたつめは国立西洋美術館国立西洋美術館には超ネームバリュー画家が一堂に会しているのに、べらぼうに安い。時にはタダになる。宗教画から印象派、現代やら、彫刻がずらーーっと並んでいるボリューム感と東京なのにめったに混まないという見やすさがいい。

しかも!モネの小部屋があるのだ!!!それも写真が撮れるのだ!凄くね?

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前置きが長くなったが、そのモネの小部屋がある国立西洋美術館開館60周年記念『松方コレクション展』に行ってきた。ちょっと昔に松方幸次郎というお金持ちが日本に美術館を作ることを夢みてヨーロッパで上質な作品を買い集めたおかげで、国立西洋美術館ができ、モネの小部屋も出来たのだ!ありがとう、松方さん!神だ、ネ申って書きたいくらいだ!戦争の最中で、焼失したり、フランスに留められたり、金銭的な問題で散在してしまったコレクションの激動の運命。ここに存在してくれることの尊さに泣きそうになった。あなたのおかげで日本にいながらも、もっとモネが好きになれたし、会いたい時に会えるよと伝えたい。

内容はいつもは常設展にいる作品が多くて、照明がやや暗く重厚な雰囲気なので「おっ今回はこっちでお澄まし顔だな」と思った(常設展は明るくて、あまり仕切りがないので開放的な空間になっている)。目新しさは正直薄いけど、激動の運命の節目節目の当時の記録も展示されていたり、モネの破損していた大作の修復作品が最後に配置されてたりで、心に沁みるいい展示だった。修復してくれて国立西洋美術館ありがとう、ありがとう…。

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追伸

猫に画家の名前をシリーズでつけたいと思いつき、付けた名前はモネちゃん。連作。

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たましいってどこ?@東京

 

タダほど高いものはないと思わされる面倒な用事のため東京へ。この面倒が終われば休みだ。しかし、東京は魅力的ものがありすぎて休みの日をどれだけタイトなスケジュールにしても、全然見終わらない。例えばボルタンスキー展やウィーンモダン展、虫展、恐竜展、高畑勲展、自然国家展、未開の東京都現代美術館とかとか。

 

そのなかで今回は3つの展示に行くことを支えに東京へ。その1つは『塩田千春展:魂がふるえる』森美術館だ。きっと長くなるので、行った展示は1つずつブログに残そうと思う。

 

日本の現代美術のなかで塩田千春は有名すぎる存在だ。私が初めて目にしたのは日曜美術館でちょっとだけ映った「ウォール」か、NEWS ZEROでの「掌の鍵」だったかで。インパクトが凄すぎていつかは現物を見たいと思い続けていた。やっとこさ行けたのは2018年新潟県の水と土の芸術祭と大地の芸術祭展示の「どこへ向かって」と「家の記憶」だった。テレビ越しでも心掴まれた作家さんの雰囲気をビシバシ感じ取れて幸せだった。

何度でも会いたいし、個展しないかなーって思ってたら森美術館ありがとうありがとう…。森美術館は無駄に広くて六本木にあって、ギラギラした恐ろしいオーラの一流ブランドが立ち並ぶビルの上にあって入りづらいけど、塩田千春展するとか分かってる。まず入り口のエスカレーターところに、あの!新潟でみた!どこへ向かってが出迎えてくれる!好き。


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展示内容は赤い糸、黒い糸、小物、映像作品、過去の作品まとめ、窓、ドレス、鞄…あー、素敵空間だ、ここは天国か生まれる前なのか死んだ後なのか。1室目はインスタ映えさせるためのポートレートの撮影現場と化していたが、いや、作品みて!ゾワゾワするとか、包まれているとか、逆に息苦しい感覚とかに圧倒されようよ!!!


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全てに目を惹かれた。

 

追伸

私のたましいはどこかをふわふわしてて、美術館に行くと充電される。快適な旅には、どんなに近場でも機内持ち込み可能なキャリーバックが必須である。

 

 

デザインあ@熊本

 

デザインあ展 in KUMAMOTO@熊本市現代美術館に行った。ずっとツイッターで色んな人が行ってて楽しかったみたいなので、めちゃくちゃ行きてーー!って思ってた。熊本に巡回してきたの嬉しい。これは行くしかないのだ。

 

どこも撮影オッケーとのこと。太っ腹だ。とにかく子どもが多くて、キャッキャしている。教育テレビがEテレになっても、子どもウケ抜群なのは健在なのだ。どの展示も賑わっていて、大人がやるのはちょっと遠慮してしまうものも全力で取り組んでいる姿を見て、あーこうやって遊ぶのかと声を聞くだけで擬似体験できる。観覧者を観覧するのが楽しいときってあるよね。例えば、前に佐賀県立美術館であった池田学展とかも人がごった返してて芋洗い状態だったけど、周りの人がここにこんなのいるって言ってんの聞きながら回るの楽しかったな。

そしてそして、今回のあ展で1番楽しかったのは体感の部屋!360度スクリーンで最初から最後まで釘付けになる。周りの人も然りに感想を言っていて、前の子どもが「これ好き!」と、紋の書き方でキョロキョロしてたの可愛すぎた。SNSで拡散されてたのが多かった理由はこれかー!頷けるぜ。最後の部屋は、私の心が子どもなのでネジになってクルクル回る展示、体験したかったな。あと、そこに高校生くらいのカップルがクルクルってやつを2人でしてて、展示初日に美術館へ行く相手を見つけてることの眩しさと私もクルクルしたいぞって若さの羨ましさへ思いを馳せながらも展示を後にした。

 

グッズも充実!マステ好きホイホイだったので、ホイホイされた。その後はあ展をもう1周する。妹は展示をみるの早すぎて秒で見失う。たまに合流し、ミュージアムショップで発見した。妹とは美術館での時間の過ごし方が違うので一緒に展示をみる機会が少ない。あと何回行けるんだろね。こういう2人に刺さる展示内容が近くであるといいなー。

 

ギャラリーⅢでは、浦川大志&名もなき実昌 二人展『終わるまで終わらないよ』浦川大志はひと昔前に夕方によく外国風のCMで流れてたワイパーみたいな筆で虹が一筆書きできる、みたいな書き方だなって思ってた。あのCMがなんの宣伝だったか名前が浮かばなくて、モヤモヤしている。名もなき実昌はタイトル面白い。文字化けなんて読むんだろう。平成と令和の作品可愛かったな。目録の展示についての文書で展示タイトルの意味が分かるんだけど、開催期間に意味が込められてる展示はじめてかもしれない。

 


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追伸

流石に3時帰りの7時出発は大変。あ展で知り合いとニアミスしてるのが城の絵で分かって驚いた。この頃から、実家の猫が廊下によく落ちている。


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デザイナーズチェア@福岡市美

 

北欧の〜といったデザインの企画展に大体展示されているデザイナーズチェア。たまに座れる体験コーナーになっているが、足の長さの設計が一般的な日本人にはおかしいので浮いてぷらぷらなる。地に足がつかないので、入学したての小学生の頃のような感覚がするのは私だけだろうか。色んな展示があったが、欲しすぎるNo. 1椅子だったのは、フィンランドデザイン展でのボールチェアである。とってもふわふわ、とっても静か。隔離された空間に包まれているザ包容力な素敵空間にすっぽり収まれる。ちなみに10万円くらいするお高いお椅子様であるためウチに未導入である。素晴らしいものは高い世界なのだ…。

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で、今回は『九州産業大学創立60周年記念美術館特別企画展「Arts & Materialー素材で感じるイスの世界―」』へ福岡市美術館へ。まず55脚って数の多さが楽しさの数になっている。タイトルと作者は椅子を囲むように床にシールが貼られていて分かりやすい。またそれぞれの椅子にはちっちゃいキャプションカードがポツンと乗っていて、丸文字が可愛らしく、サクッと読める文量だった。

 

今回の展示のなかで1番欲しいのはラ・シェーズ。右に寄ると壁みたいになっている。まるで電車の連結部分の隅の席みたいに寄りかかることが出来る。たぶん2人掛けなので、左側にかなりのスペースがある。本とかジュースとか置けるし部屋にちょうどいいなって思った。調べるとこれも素敵なお値段であった。ボールチェアといいラ・シェーズといい、理想が高すぎて全然椅子を買える気がしない。理想だけでなく値段が高いことが主な原因だが!面白くて、しっくりきて、寄りかかれて、買いやすい椅子が欲しいな。


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追伸

福岡市美のキッズルーム可愛い。壁のキャラクターはひとつずつ取れる。ミロの作品分からないとちょっとホラーではないかってやつも紛れ込んでいる。


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今後の予定(仮)@美術館など

タイトル通り。メモ書きみたいなものとして。

 

デザインあ展 in KUMAMOTO@熊本市現代美術館

2019.6.30(日)〜 2019.9.8(日)

*瀬戸内国際芸術祭

2019年4月26日(金)—5月26日(日)

2019年7月19日(金)—8月25日(日)

2019年9月28日(土)—11月4日(月)

*あいちトリエンナーレ

2019年8月1日(木)~10月14日(月・祝)

*塩田千春展:魂がふるえる@森美術館

2019.6.20(木)~ 10.27(日)

国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展@国立西洋美術館
2019年6月11日(火)~2019年9月23日(月・祝)

*マンモス展-その『生命』は蘇るのか-@日本科学未来館
2019年6月7日(金)~11月4日(月・休)

*岡山芸術

2019年9月27日(金)~11月24日(日)

 

全部行けるかわからないけど、とりあえず生きていく糧となる。いま惹かれるのは潮田千春だけど、わたしの中の子供心が愛・地球博の冷凍マンモス見れなかった後悔から絶対にマンモス見たいねって言ってくる。潮田千春とマンモスとモネの会期が被り、会場が東京で被り。これは行けとガイアが囁いている…。

 

追伸

1部であればハガキ職人が揃っている岡村隆史ANNが全体的に強いけど、コーナーでいうと菅田将暉ANNのショートシャンクの空がめちゃくちゃ好きだ。

野良の黒の子@むくむくしたけもの

 

ふらっとポストをみると不在票が入っていた。とくに頼んでいるものはないので、すぐに思い当たりテンションが上がる。

 

先日、絵を買ったのだ。作家の名前はむくむくしたけものさん(twitter:@mukukemo)。今回でうちの子になったのは同作家さんから4作品目。タイトルは『野良の黒の子』。サイズは0号。真っ黒な背景に真っ黒な猫ちゃん。むくむくしたけものさん特有の瞳のない目でこちらを見つめている。

あー、可愛い。ほんと可愛い。絵を買うということは、好きで堪らない1点ものが部屋に、目のつくところに、すぐそこに居るということだ。存在に満足する。癒される。美術館の絵を見るときも、あーこの子はちゃんと綺麗に居るなって眺める。代々きちんと受け継がれてるからそう思えるのであって、うちの子も末永く幸せにしていきたい所存である。

ちなみに絵を欲しいと思ったら、大体は本人交渉や展示会、どこかに所属なら所属先に問い合わせ。購入イメージとして、近年であれば佐賀の池田学の誕生って浮かびやすいけど、庶民的な購入チャンスは色々とある。大好きなクロード・モネフィンセント・ファン・ゴッホはもういないから言えないけど、好きと思ったら好きと発信すべき。そして作品を売っているタイミングが、私の生きている時代と財布事情と合うのは奇跡なのだ。

 

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追伸

新しく買った冷感シーツと枕とタオルケットが思ったよりひんやりで、一周回って寒い。

バス乗車16h@広島


前原冬樹という作家については、マツコ有吉の怒り新党で取り上げられてから、ずっと気になっていたのである。本物と見紛うほどの彫刻。それが1本の木から出来ているという超絶技巧さ。加えて、作家紹介のなかにでてくる「ボクサーからの芸大」の部分で、ん???となる異色すぎる転身のパンチの強さ。ともかくテレビで紹介された2015年7月から心に残っていたのだ。

 

時は流れ2019年。令和になり世の中には10連休があったらしい。私のところに超大型連休は来てくれなかったが、世間の浮かれ具合に感化され旅行には行きたいという衝動が生まれた。私のなかで旅行とは、イコール美術館めぐりである。この定義から県外の展示をぐぐっていたら、なんと、なんと!前原冬樹の展示を広島のウッドワン美術館で開催されていたのだ。行くしかなかろう、この一期一会に。

 

だが、ここでウッドワン美術館HP内のアクセスを開いていただきたい。http://www.woodone-museum.jp/access.html バス40分からの50分。めっちゃ乗るやん。いやいや、めっちゃくちゃバス乗るやつやん?レンタカー借りた方がいい?と思った。

広島は本当に素晴らしい場所で、広島市内にひろしま美術館、広島市現代美術館広島県立美術館などがあり挙げた3ヶ所には寄りたかったのだ。バスで時間を潰すということは、最終日に3ヶ所全てを巡りきらないといけない計算となる。うーんと悩んでいると、あっという間に旅行計画日の2日前になった(ちょっと旅行を忘れた期間も含む)。取り急ぎ、美術館3ヶ所は何度も経験があるので、1日バスに時間をかけることにした。計画性よりも行動に移してしまった方がいいこともあるのだ。

 

旅程

5月20日

博多→広島

広島駅前ホテルで1泊目

5月21日

広島駅→宮内串戸駅

宮内串戸駅→バス→バス→ウッドワン美術館

帰りは上記逆順

広島駅前ホテルで2泊目

5月22日

ひろしま美術館→広島県立美術館広島市現代美術館路面電車1日乗車券)

広島バスタ→博多

 

結果、余裕ではないもののお土産を買って帰れるくらいの時間で帰宅できた。

以下、美術館めぐりの感想である。

 

@ウッドワン美術館(初)

『前原冬樹 木彫 一木に刻む時の記憶(2019年4月26日(金)~6月30日(日))』

まず遠い。radikoが入らなくなってバス暇だった。乗り換え待ってた時に地元のおばあちゃんと世間話する流れになって、吉和に行くと言ったら「あーんな田舎に何しに行くん?」となる程に。とても自然豊かで、隣に宿泊施設があるし、レストランもカフェもある。昼食は展示とコラボ御前を注文。作品を忠実に再現している(カニやうさちゃんりんご、梅干しなど。正しくは作品が忠実な模写であり、そもそも作品元は食べられる方なのだが、真似してるのか真似されてるのかわからなくなるやつ)。展示もいいが常設展もよい。近代芸術、ガレなどのアール・ヌーヴォーガラス作品、幕末明治の薩摩焼、マイセン磁器。それに前原冬樹とは…趣向の凝った立体作品多め。

 


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@ひろしま美術館

『みんなのレオ・レオーニ展 Reading Leo Lionni, again.(2019年4月20日(土)~ 2019年6月2日(日))』

何度か行っているが開館前に着いたのは初。入り口シャッターは愛すべきゴッホの『ドービニーの庭』が!入ってすぐはレオレオーニの密着ドキュメンタリー映像が流れている(本人70歳代)。ピアノを軽快に弾いている。もともと芸術一家だが去年からちゃんとピアノをやり始めたと…かっこいいおじいちゃんだ。原画ありの絵本ありのグッズありの、足が止まるスポット多すぎた。こちらもコラボカフェアイテムあり。ツイッターで見かけたスイミーサイダーの動画の可愛さが爆発的。飲めばよかったな。

 


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@広島県立美術館(初)

『挑む浮世絵 国芳から芳年へ(2019年4月13日(土) ~ 2019年5月26日(日))』

裏が庭園だった。根津美術館みたいな第一印象。特別展は3階、常設展は2階で開催してた。特別展はな、な、なんと全作品写真撮影可能!?まじか。パッシャパッシャ撮るぜと思いながら意気揚々と入る。ふと周りを見る。この年齢層からすると、私のうさちゃんポケットのピンクジャケットが浮いている。が、その浮き上がり具合でお気に入りのうさちゃんポケットのピンクジャケットが目立つなら良しとしよう。前半はババーンとかっこよく、中盤からはホラーテイスト。血みどろで、元ネタが怖い話が多い。こりゃ子どもがみたらトラウマもんだ。誘導の目隠し立て板が障子に血が飛び散って、手形あった…ここはほんとにビビった。誰が意見を出したんだ、そしてそれを良しとしたんだ。なんてノリがいい美術館。最後、国芳は猫好きなシャイだと締めくくられててもホラーのインパクトが強くて全然中和されない。

 


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@広島市現代美術館

『開館30周年記念特別展 美術館の七燈(2019年3月9日(土)〜5月26日(日))』

飯川雄大ショッキングピンク巨大猫ちゃんこと小林さんが居たんだが!?衝動のままにアクキー買った。アクキーはあっても付けるところないから衝動のままに買うのはポスターカードまでに留めるように心掛けているけど、今回は例外とした。ゲンビは坂を登る以外、建物もとても好き。モニュメントは至る所にあるし、入り口は絵になるし、ソファーもかっこいいし、半螺旋階段みたいなのもいい、展示室広々してるし、1室目は自然光なのもいい。なによりも猫がお迎えしてくれるところがグッとくる。展示作品の内容や方向性をまるっとまとめて語れる言葉はない、それが現代美術なのかもしれない。その中で展示されているものは、ゲンビに似合うという共通点があるし、何を展示してもゲンビは似合う雰囲気がある。

 


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追伸

とてもホテルの引きがよい。広島のお宿おススメ。安い割に、アメニティが相性のいいDHC。化粧水とかヘアアイロンほんと助かる。

 


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