きりんの散歩

趣味は美術館めぐり。生息地は福岡。遠くまで行くこともあります。アイコンは我が家のモネちゃん。twitter:@kirin11_04

たましいってどこ?@東京

 

タダほど高いものはないと思わされる面倒な用事のため東京へ。この面倒が終われば休みだ。しかし、東京は魅力的ものがありすぎて休みの日をどれだけタイトなスケジュールにしても、全然見終わらない。例えばボルタンスキー展やウィーンモダン展、虫展、恐竜展、高畑勲展、自然国家展、未開の東京都現代美術館とかとか。

 

そのなかで今回は3つの展示に行くことを支えに東京へ。その1つは『塩田千春展:魂がふるえる』森美術館だ。きっと長くなるので、行った展示は1つずつブログに残そうと思う。

 

日本の現代美術のなかで塩田千春は有名すぎる存在だ。私が初めて目にしたのは日曜美術館でちょっとだけ映った「ウォール」か、NEWS ZEROでの「掌の鍵」だったかで。インパクトが凄すぎていつかは現物を見たいと思い続けていた。やっとこさ行けたのは2018年新潟県の水と土の芸術祭と大地の芸術祭展示の「どこへ向かって」と「家の記憶」だった。テレビ越しでも心掴まれた作家さんの雰囲気をビシバシ感じ取れて幸せだった。

何度でも会いたいし、個展しないかなーって思ってたら森美術館ありがとうありがとう…。森美術館は無駄に広くて六本木にあって、ギラギラした恐ろしいオーラの一流ブランドが立ち並ぶビルの上にあって入りづらいけど、塩田千春展するとか分かってる。まず入り口のエスカレーターところに、あの!新潟でみた!どこへ向かってが出迎えてくれる!好き。


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展示内容は赤い糸、黒い糸、小物、映像作品、過去の作品まとめ、窓、ドレス、鞄…あー、素敵空間だ、ここは天国か生まれる前なのか死んだ後なのか。1室目はインスタ映えさせるためのポートレートの撮影現場と化していたが、いや、作品みて!ゾワゾワするとか、包まれているとか、逆に息苦しい感覚とかに圧倒されようよ!!!


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全てに目を惹かれた。

 

追伸

私のたましいはどこかをふわふわしてて、美術館に行くと充電される。快適な旅には、どんなに近場でも機内持ち込み可能なキャリーバックが必須である。

 

 

デザインあ@熊本

 

デザインあ展 in KUMAMOTO@熊本市現代美術館に行った。ずっとツイッターで色んな人が行ってて楽しかったみたいなので、めちゃくちゃ行きてーー!って思ってた。熊本に巡回してきたの嬉しい。これは行くしかないのだ。

 

どこも撮影オッケーとのこと。太っ腹だ。とにかく子どもが多くて、キャッキャしている。教育テレビがEテレになっても、子どもウケ抜群なのは健在なのだ。どの展示も賑わっていて、大人がやるのはちょっと遠慮してしまうものも全力で取り組んでいる姿を見て、あーこうやって遊ぶのかと声を聞くだけで擬似体験できる。観覧者を観覧するのが楽しいときってあるよね。例えば、前に佐賀県立美術館であった池田学展とかも人がごった返してて芋洗い状態だったけど、周りの人がここにこんなのいるって言ってんの聞きながら回るの楽しかったな。

そしてそして、今回のあ展で1番楽しかったのは体感の部屋!360度スクリーンで最初から最後まで釘付けになる。周りの人も然りに感想を言っていて、前の子どもが「これ好き!」と、紋の書き方でキョロキョロしてたの可愛すぎた。SNSで拡散されてたのが多かった理由はこれかー!頷けるぜ。最後の部屋は、私の心が子どもなのでネジになってクルクル回る展示、体験したかったな。あと、そこに高校生くらいのカップルがクルクルってやつを2人でしてて、展示初日に美術館へ行く相手を見つけてることの眩しさと私もクルクルしたいぞって若さの羨ましさへ思いを馳せながらも展示を後にした。

 

グッズも充実!マステ好きホイホイだったので、ホイホイされた。その後はあ展をもう1周する。妹は展示をみるの早すぎて秒で見失う。たまに合流し、ミュージアムショップで発見した。妹とは美術館での時間の過ごし方が違うので一緒に展示をみる機会が少ない。あと何回行けるんだろね。こういう2人に刺さる展示内容が近くであるといいなー。

 

ギャラリーⅢでは、浦川大志&名もなき実昌 二人展『終わるまで終わらないよ』浦川大志はひと昔前に夕方によく外国風のCMで流れてたワイパーみたいな筆で虹が一筆書きできる、みたいな書き方だなって思ってた。あのCMがなんの宣伝だったか名前が浮かばなくて、モヤモヤしている。名もなき実昌はタイトル面白い。文字化けなんて読むんだろう。平成と令和の作品可愛かったな。目録の展示についての文書で展示タイトルの意味が分かるんだけど、開催期間に意味が込められてる展示はじめてかもしれない。

 


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追伸

流石に3時帰りの7時出発は大変。あ展で知り合いとニアミスしてるのが城の絵で分かって驚いた。この頃から、実家の猫が廊下によく落ちている。


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デザイナーズチェア@福岡市美

 

北欧の〜といったデザインの企画展に大体展示されているデザイナーズチェア。たまに座れる体験コーナーになっているが、足の長さの設計が一般的な日本人にはおかしいので浮いてぷらぷらなる。地に足がつかないので、入学したての小学生の頃のような感覚がするのは私だけだろうか。色んな展示があったが、欲しすぎるNo. 1椅子だったのは、フィンランドデザイン展でのボールチェアである。とってもふわふわ、とっても静か。隔離された空間に包まれているザ包容力な素敵空間にすっぽり収まれる。ちなみに10万円くらいするお高いお椅子様であるためウチに未導入である。素晴らしいものは高い世界なのだ…。

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で、今回は『九州産業大学創立60周年記念美術館特別企画展「Arts & Materialー素材で感じるイスの世界―」』へ福岡市美術館へ。まず55脚って数の多さが楽しさの数になっている。タイトルと作者は椅子を囲むように床にシールが貼られていて分かりやすい。またそれぞれの椅子にはちっちゃいキャプションカードがポツンと乗っていて、丸文字が可愛らしく、サクッと読める文量だった。

 

今回の展示のなかで1番欲しいのはラ・シェーズ。右に寄ると壁みたいになっている。まるで電車の連結部分の隅の席みたいに寄りかかることが出来る。たぶん2人掛けなので、左側にかなりのスペースがある。本とかジュースとか置けるし部屋にちょうどいいなって思った。調べるとこれも素敵なお値段であった。ボールチェアといいラ・シェーズといい、理想が高すぎて全然椅子を買える気がしない。理想だけでなく値段が高いことが主な原因だが!面白くて、しっくりきて、寄りかかれて、買いやすい椅子が欲しいな。


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追伸

福岡市美のキッズルーム可愛い。壁のキャラクターはひとつずつ取れる。ミロの作品分からないとちょっとホラーではないかってやつも紛れ込んでいる。


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今後の予定(仮)@美術館など

タイトル通り。メモ書きみたいなものとして。

 

デザインあ展 in KUMAMOTO@熊本市現代美術館

2019.6.30(日)〜 2019.9.8(日)

*瀬戸内国際芸術祭

2019年4月26日(金)—5月26日(日)

2019年7月19日(金)—8月25日(日)

2019年9月28日(土)—11月4日(月)

*あいちトリエンナーレ

2019年8月1日(木)~10月14日(月・祝)

*塩田千春展:魂がふるえる@森美術館

2019.6.20(木)~ 10.27(日)

国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展@国立西洋美術館
2019年6月11日(火)~2019年9月23日(月・祝)

*マンモス展-その『生命』は蘇るのか-@日本科学未来館
2019年6月7日(金)~11月4日(月・休)

*岡山芸術

2019年9月27日(金)~11月24日(日)

 

全部行けるかわからないけど、とりあえず生きていく糧となる。いま惹かれるのは潮田千春だけど、わたしの中の子供心が愛・地球博の冷凍マンモス見れなかった後悔から絶対にマンモス見たいねって言ってくる。潮田千春とマンモスとモネの会期が被り、会場が東京で被り。これは行けとガイアが囁いている…。

 

追伸

1部であればハガキ職人が揃っている岡村隆史ANNが全体的に強いけど、コーナーでいうと菅田将暉ANNのショートシャンクの空がめちゃくちゃ好きだ。

野良の黒の子@むくむくしたけもの

 

ふらっとポストをみると不在票が入っていた。とくに頼んでいるものはないので、すぐに思い当たりテンションが上がる。

 

先日、絵を買ったのだ。作家の名前はむくむくしたけものさん(twitter:@mukukemo)。今回でうちの子になったのは同作家さんから4作品目。タイトルは『野良の黒の子』。サイズは0号。真っ黒な背景に真っ黒な猫ちゃん。むくむくしたけものさん特有の瞳のない目でこちらを見つめている。

あー、可愛い。ほんと可愛い。絵を買うということは、好きで堪らない1点ものが部屋に、目のつくところに、すぐそこに居るということだ。存在に満足する。癒される。美術館の絵を見るときも、あーこの子はちゃんと綺麗に居るなって眺める。代々きちんと受け継がれてるからそう思えるのであって、うちの子も末永く幸せにしていきたい所存である。

ちなみに絵を欲しいと思ったら、大体は本人交渉や展示会、どこかに所属なら所属先に問い合わせ。購入イメージとして、近年であれば佐賀の池田学の誕生って浮かびやすいけど、庶民的な購入チャンスは色々とある。大好きなクロード・モネフィンセント・ファン・ゴッホはもういないから言えないけど、好きと思ったら好きと発信すべき。そして作品を売っているタイミングが、私の生きている時代と財布事情と合うのは奇跡なのだ。

 

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追伸

新しく買った冷感シーツと枕とタオルケットが思ったよりひんやりで、一周回って寒い。

バス乗車16h@広島


前原冬樹という作家については、マツコ有吉の怒り新党で取り上げられてから、ずっと気になっていたのである。本物と見紛うほどの彫刻。それが1本の木から出来ているという超絶技巧さ。加えて、作家紹介のなかにでてくる「ボクサーからの芸大」の部分で、ん???となる異色すぎる転身のパンチの強さ。ともかくテレビで紹介された2015年7月から心に残っていたのだ。

 

時は流れ2019年。令和になり世の中には10連休があったらしい。私のところに超大型連休は来てくれなかったが、世間の浮かれ具合に感化され旅行には行きたいという衝動が生まれた。私のなかで旅行とは、イコール美術館めぐりである。この定義から県外の展示をぐぐっていたら、なんと、なんと!前原冬樹の展示を広島のウッドワン美術館で開催されていたのだ。行くしかなかろう、この一期一会に。

 

だが、ここでウッドワン美術館HP内のアクセスを開いていただきたい。http://www.woodone-museum.jp/access.html バス40分からの50分。めっちゃ乗るやん。いやいや、めっちゃくちゃバス乗るやつやん?レンタカー借りた方がいい?と思った。

広島は本当に素晴らしい場所で、広島市内にひろしま美術館、広島市現代美術館広島県立美術館などがあり挙げた3ヶ所には寄りたかったのだ。バスで時間を潰すということは、最終日に3ヶ所全てを巡りきらないといけない計算となる。うーんと悩んでいると、あっという間に旅行計画日の2日前になった(ちょっと旅行を忘れた期間も含む)。取り急ぎ、美術館3ヶ所は何度も経験があるので、1日バスに時間をかけることにした。計画性よりも行動に移してしまった方がいいこともあるのだ。

 

旅程

5月20日

博多→広島

広島駅前ホテルで1泊目

5月21日

広島駅→宮内串戸駅

宮内串戸駅→バス→バス→ウッドワン美術館

帰りは上記逆順

広島駅前ホテルで2泊目

5月22日

ひろしま美術館→広島県立美術館広島市現代美術館路面電車1日乗車券)

広島バスタ→博多

 

結果、余裕ではないもののお土産を買って帰れるくらいの時間で帰宅できた。

以下、美術館めぐりの感想である。

 

@ウッドワン美術館(初)

『前原冬樹 木彫 一木に刻む時の記憶(2019年4月26日(金)~6月30日(日))』

まず遠い。radikoが入らなくなってバス暇だった。乗り換え待ってた時に地元のおばあちゃんと世間話する流れになって、吉和に行くと言ったら「あーんな田舎に何しに行くん?」となる程に。とても自然豊かで、隣に宿泊施設があるし、レストランもカフェもある。昼食は展示とコラボ御前を注文。作品を忠実に再現している(カニやうさちゃんりんご、梅干しなど。正しくは作品が忠実な模写であり、そもそも作品元は食べられる方なのだが、真似してるのか真似されてるのかわからなくなるやつ)。展示もいいが常設展もよい。近代芸術、ガレなどのアール・ヌーヴォーガラス作品、幕末明治の薩摩焼、マイセン磁器。それに前原冬樹とは…趣向の凝った立体作品多め。

 


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@ひろしま美術館

『みんなのレオ・レオーニ展 Reading Leo Lionni, again.(2019年4月20日(土)~ 2019年6月2日(日))』

何度か行っているが開館前に着いたのは初。入り口シャッターは愛すべきゴッホの『ドービニーの庭』が!入ってすぐはレオレオーニの密着ドキュメンタリー映像が流れている(本人70歳代)。ピアノを軽快に弾いている。もともと芸術一家だが去年からちゃんとピアノをやり始めたと…かっこいいおじいちゃんだ。原画ありの絵本ありのグッズありの、足が止まるスポット多すぎた。こちらもコラボカフェアイテムあり。ツイッターで見かけたスイミーサイダーの動画の可愛さが爆発的。飲めばよかったな。

 


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@広島県立美術館(初)

『挑む浮世絵 国芳から芳年へ(2019年4月13日(土) ~ 2019年5月26日(日))』

裏が庭園だった。根津美術館みたいな第一印象。特別展は3階、常設展は2階で開催してた。特別展はな、な、なんと全作品写真撮影可能!?まじか。パッシャパッシャ撮るぜと思いながら意気揚々と入る。ふと周りを見る。この年齢層からすると、私のうさちゃんポケットのピンクジャケットが浮いている。が、その浮き上がり具合でお気に入りのうさちゃんポケットのピンクジャケットが目立つなら良しとしよう。前半はババーンとかっこよく、中盤からはホラーテイスト。血みどろで、元ネタが怖い話が多い。こりゃ子どもがみたらトラウマもんだ。誘導の目隠し立て板が障子に血が飛び散って、手形あった…ここはほんとにビビった。誰が意見を出したんだ、そしてそれを良しとしたんだ。なんてノリがいい美術館。最後、国芳は猫好きなシャイだと締めくくられててもホラーのインパクトが強くて全然中和されない。

 


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@広島市現代美術館

『開館30周年記念特別展 美術館の七燈(2019年3月9日(土)〜5月26日(日))』

飯川雄大ショッキングピンク巨大猫ちゃんこと小林さんが居たんだが!?衝動のままにアクキー買った。アクキーはあっても付けるところないから衝動のままに買うのはポスターカードまでに留めるように心掛けているけど、今回は例外とした。ゲンビは坂を登る以外、建物もとても好き。モニュメントは至る所にあるし、入り口は絵になるし、ソファーもかっこいいし、半螺旋階段みたいなのもいい、展示室広々してるし、1室目は自然光なのもいい。なによりも猫がお迎えしてくれるところがグッとくる。展示作品の内容や方向性をまるっとまとめて語れる言葉はない、それが現代美術なのかもしれない。その中で展示されているものは、ゲンビに似合うという共通点があるし、何を展示してもゲンビは似合う雰囲気がある。

 


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追伸

とてもホテルの引きがよい。広島のお宿おススメ。安い割に、アメニティが相性のいいDHC。化粧水とかヘアアイロンほんと助かる。

 


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