きりんの散歩

趣味は美術館めぐり。生息地は福岡。遠くまで行くこともあります。アイコンは我が家のモネちゃん。twitter:@kirin11_04

バス乗車16h@広島


前原冬樹という作家については、マツコ有吉の怒り新党で取り上げられてから、ずっと気になっていたのである。本物と見紛うほどの彫刻。それが1本の木から出来ているという超絶技巧さ。加えて、作家紹介のなかにでてくる「ボクサーからの芸大」の部分で、ん???となる異色すぎる転身のパンチの強さ。ともかくテレビで紹介された2015年7月から心に残っていたのだ。

 

時は流れ2019年。令和になり世の中には10連休があったらしい。私のところに超大型連休は来てくれなかったが、世間の浮かれ具合に感化され旅行には行きたいという衝動が生まれた。私のなかで旅行とは、イコール美術館めぐりである。この定義から県外の展示をぐぐっていたら、なんと、なんと!前原冬樹の展示を広島のウッドワン美術館で開催されていたのだ。行くしかなかろう、この一期一会に。

 

だが、ここでウッドワン美術館HP内のアクセスを開いていただきたい。http://www.woodone-museum.jp/access.html バス40分からの50分。めっちゃ乗るやん。いやいや、めっちゃくちゃバス乗るやつやん?レンタカー借りた方がいい?と思った。

広島は本当に素晴らしい場所で、広島市内にひろしま美術館、広島市現代美術館広島県立美術館などがあり挙げた3ヶ所には寄りたかったのだ。バスで時間を潰すということは、最終日に3ヶ所全てを巡りきらないといけない計算となる。うーんと悩んでいると、あっという間に旅行計画日の2日前になった(ちょっと旅行を忘れた期間も含む)。取り急ぎ、美術館3ヶ所は何度も経験があるので、1日バスに時間をかけることにした。計画性よりも行動に移してしまった方がいいこともあるのだ。

 

旅程

5月20日

博多→広島

広島駅前ホテルで1泊目

5月21日

広島駅→宮内串戸駅

宮内串戸駅→バス→バス→ウッドワン美術館

帰りは上記逆順

広島駅前ホテルで2泊目

5月22日

ひろしま美術館→広島県立美術館広島市現代美術館路面電車1日乗車券)

広島バスタ→博多

 

結果、余裕ではないもののお土産を買って帰れるくらいの時間で帰宅できた。

以下、美術館めぐりの感想である。

 

@ウッドワン美術館(初)

『前原冬樹 木彫 一木に刻む時の記憶(2019年4月26日(金)~6月30日(日))』

まず遠い。radikoが入らなくなってバス暇だった。乗り換え待ってた時に地元のおばあちゃんと世間話する流れになって、吉和に行くと言ったら「あーんな田舎に何しに行くん?」となる程に。とても自然豊かで、隣に宿泊施設があるし、レストランもカフェもある。昼食は展示とコラボ御前を注文。作品を忠実に再現している(カニやうさちゃんりんご、梅干しなど。正しくは作品が忠実な模写であり、そもそも作品元は食べられる方なのだが、真似してるのか真似されてるのかわからなくなるやつ)。展示もいいが常設展もよい。近代芸術、ガレなどのアール・ヌーヴォーガラス作品、幕末明治の薩摩焼、マイセン磁器。それに前原冬樹とは…趣向の凝った立体作品多め。

 


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@ひろしま美術館

『みんなのレオ・レオーニ展 Reading Leo Lionni, again.(2019年4月20日(土)~ 2019年6月2日(日))』

何度か行っているが開館前に着いたのは初。入り口シャッターは愛すべきゴッホの『ドービニーの庭』が!入ってすぐはレオレオーニの密着ドキュメンタリー映像が流れている(本人70歳代)。ピアノを軽快に弾いている。もともと芸術一家だが去年からちゃんとピアノをやり始めたと…かっこいいおじいちゃんだ。原画ありの絵本ありのグッズありの、足が止まるスポット多すぎた。こちらもコラボカフェアイテムあり。ツイッターで見かけたスイミーサイダーの動画の可愛さが爆発的。飲めばよかったな。

 


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@広島県立美術館(初)

『挑む浮世絵 国芳から芳年へ(2019年4月13日(土) ~ 2019年5月26日(日))』

裏が庭園だった。根津美術館みたいな第一印象。特別展は3階、常設展は2階で開催してた。特別展はな、な、なんと全作品写真撮影可能!?まじか。パッシャパッシャ撮るぜと思いながら意気揚々と入る。ふと周りを見る。この年齢層からすると、私のうさちゃんポケットのピンクジャケットが浮いている。が、その浮き上がり具合でお気に入りのうさちゃんポケットのピンクジャケットが目立つなら良しとしよう。前半はババーンとかっこよく、中盤からはホラーテイスト。血みどろで、元ネタが怖い話が多い。こりゃ子どもがみたらトラウマもんだ。誘導の目隠し立て板が障子に血が飛び散って、手形あった…ここはほんとにビビった。誰が意見を出したんだ、そしてそれを良しとしたんだ。なんてノリがいい美術館。最後、国芳は猫好きなシャイだと締めくくられててもホラーのインパクトが強くて全然中和されない。

 


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@広島市現代美術館

『開館30周年記念特別展 美術館の七燈(2019年3月9日(土)〜5月26日(日))』

飯川雄大ショッキングピンク巨大猫ちゃんこと小林さんが居たんだが!?衝動のままにアクキー買った。アクキーはあっても付けるところないから衝動のままに買うのはポスターカードまでに留めるように心掛けているけど、今回は例外とした。ゲンビは坂を登る以外、建物もとても好き。モニュメントは至る所にあるし、入り口は絵になるし、ソファーもかっこいいし、半螺旋階段みたいなのもいい、展示室広々してるし、1室目は自然光なのもいい。なによりも猫がお迎えしてくれるところがグッとくる。展示作品の内容や方向性をまるっとまとめて語れる言葉はない、それが現代美術なのかもしれない。その中で展示されているものは、ゲンビに似合うという共通点があるし、何を展示してもゲンビは似合う雰囲気がある。

 


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追伸

とてもホテルの引きがよい。広島のお宿おススメ。安い割に、アメニティが相性のいいDHC。化粧水とかヘアアイロンほんと助かる。

 


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